-ESCUDO L4−1400ターボ-


 
 
-歴代最小 初の直噴ターボ搭載-

 誕生30年を目前にして初のターボ搭載。
 機種記号がDBAからCBAに戻り、テンロクの21Sに対して、
1400ターボはA1S。 マイナーチェンジなのかモデル追加な
のかで言えば後者なのだが、 2010年代に入ってスズキは大排気量エンジンから撤退し、2020年までに機種整理を行いつつ排気量上限を1400ccとする政策を進めているため、1600ccはこのあと淘汰される。
 しかしこの1400上限という縛りは、その後「燃費、トルク、パワー総括して理想なところはそこではなさそう」と見直され、ジムニーシエラが1500ccで登場するのだが・・・



 1400ターボの心臓である4気筒エンジンは機種記号がK14C。海外版に比べて出力は
4馬力ほど下がっている。これは国内仕様にレギュラーガソリンを選択したことで、経済性に
も幾ばくか考慮したためだろう。車体はルーフレールや追加エアバッグなどの重量増(約10
キロ)となっている。
 Autoモードはごく当たり前のなめらかな発進加速。言わずもがなFF的な加速体感だが、
ダウンサイズされた排気量は意識しなくてよさそう。直噴ターボはNAテンロクに比べて下か
らトルクが立ち上がる。
 Sportsモードに切り替えると、正確が変わったようにパワフルな加速。それでもター
ビンが回っているのかどうかは感じられない。このあたりが今どきのターボなのか直噴エンジ
ンの性能か。コーナーでもふらつくことは少なく、それこそ初代のテンロクはなんだったのか
という進化ぶりだ。ただし小排気量化の泣きどころか、下りのワインディングではエンジンブ
レーキが効かない。足回りも硬めだと言われているが、フットブレーキによる制動時はそこそ
こフロントボトムする。)
   
  レーダーブレーキの警報は2度発生。2度とも対地障害物は無し。1度目は急激に下りいきなり上るという道路上で、急変した車角度によって目前の道路が壁に
見立てられたようだ。2度目は下り坂の左コーナー出口で前方にトンネルのある山肌が迫ったとき。しかしこれを誤作動と断言するのは早計だろう。
 S‐CROSSとの差別化としては1400ccであり直噴ターボであるところ、CVTではなく6速ATを踏襲したことなどがアドバンテージだろう。 1600との比較では、
多くの試乗者たちが「Sportsモードでアクセルを踏み込んだ加速感が明らかにテンロクと違う。テンロクはSportsモードに切り替えるとエンジンがいきなり暴れだ
す雰囲気だが、1400ターボはそこまでの印象は受けない」と述べる。表現が難しいところだが、それでいてパワーのある車というのは万人が受け入れるだろう。
 それは同時にクロカンやトライアルに持ち込めた時代との決別で、その領域をジムニーに返上するのは甚だ悔しいけれど、乗用車としてみればこういうものだろ
う。テンパータイヤとはいえスペアをオプション購入可能となったのも良し。エアコンを常時使用していて、平均燃費表示は16キロだった。
 4代目にして時代の流れに素直になった。本格四駆とやらの呪縛から解き放たれ、求められているニーズに応えようとした成果だ。言い方を変えれば、エスクード
というブランドは、たまたまクロカン四駆を苗床に生まれ、歴代の時代のニーズにスタンスを合わせ続け、最前線にあるということだろう。これはある意味冒険と綱渡
りなのだ。
 





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