-ESCUDO L4−2000シリーズ-



-あるべき場所に置いてみれば、これは確かに3代目-
 
 全てを一新させる。それが3代目エスクードの
テーマ。2002年2月から開発が始まり、初代
のテイストをベースに、再びヨーロピアン趣向の
デザインワークスと、SUZUKIの持つ4WD
技術をアピールする世界戦略車として、2005
年5月16日の登場をみた。
 『ライトクロカン』の初代、『クロスカントリ
ーセダン/ワゴン』と呼ばれた2代目の基本性能
を踏襲しつつ、6:4のオフロード/オンロード
性能を反転させたSUVのスタイルをとった。
 ラダーフレームからモノコックボディへ、4輪
独立懸架のマルチリンクリアサスペンションへ、
そしてLSD内蔵型センターデフ式フルタイム4
WDへ。あらゆるコンセプトが塗りかえられた。

 2000ccはXE、XGの2グレード、それぞれ5速MT、ゲート式4ATの選択が可能。
 搭載されるエンジンは直4のJ20Aで最大出力107kW/6000rpm(145ps)、
最大トルク193Nm、/4000rpm(19.7kgm)。燃焼室の形状変更、吸気ポート形
状改良、カムシャフトの改良のほか、圧縮比を上げ、樹脂インテークマニホールドや可変吸気シス
テムを取り入れるなどのリファインを施す。オイルパンはエンジン振動低減のためにアルミニウム
製へあらためられた。
 車重が1550kgにもなったため、これらのリファインは動的なパワーアップにはつながって
いないが、通常のドライブには支障はない。しかし非力感は覚える。


 外観は、初代よりも精悍なマスク。2代目よりも
大柄なボディ。初代と同じ形式のエンジンフードと
エアアウトレットを採用したが、ノーズは驚くほど
スラントしている。アウトレットは、初代よりも小
さく、熱抜き効果は期待できない。
 XEグレードは全てのタイヤが16インチ。XG
に関しては、スペアを除き17インチが標準。これ
は今回から採用されているマルチリンクリアサスと
は、あまり相性が良くない感を受けた。
 XG以上にはキーレススタートシステムも採用さ
れる。
 4WDのモードセレクタはダイヤル式。通常の4
Hからダイヤルを押しながら左にひねるとニュート
ラル、押さずに右へひねると4Hデフロック、さら
に押しながら右へ回すと4Lデフロックとなる。こ
のローモードデフロックを多用する機会が、3代目
にあるかどうかは、ユーザー次第。

 フルタイム四駆となった分、ステアリングのパワーアシストが、2代目に対して若干重くなった。
油圧制御系の改良も行われていると思われるが、やや軽めの印象があった2代目よりも、ステアリングの操作感覚は節度の
あるものとなっている。
 車体は確実に大柄となっており、全長4390mm(ホイルベース2640mm)よりも、全幅の1810mmという数字に、多くの
エスクードユーザーが「大きすぎる」と困惑の意をあらわにする。スイフトの流れを汲むフェンダーラインも、初代との比較で
賛否が分かれる。なにより、ジムニー(JAシリーズ)に対して数少ないアドバンテージであったリアナンバープレートが、バック
ドアからバンパー下に移されたことを、理解に苦しむ人は多いだろう。
 
     


 
 4輪独立懸架、スタビライザーを省いたマルチ
リンクというリアサスが3代目の注目ポイント。
 しかしその前に、エキゾーストパイプの取り回
しが、アームの下を通っているところは、油断が
できない。
 リアサスのストロークは、2代目のそれに対し
て50mm長くなったと言われている。フラット
ダートに突然現れる、雨水の流れたクレバス程度
であれば、何の不安もなく踏み越えられる。
 オンロード性能は、更に向上したことになるの
だが、スタビライザーを省いた分、足まわりは少
し硬めの設定。これと17インチタイヤサイズの
関係からか、速度を上げると細かな突き上げ振動
が発生する。
 そしてフロントをクレバスに落としていくと、リアタイヤは意外と早めに浮き上がった。
 モノコックボディは、ねじり剛性が格段に上がっており、各部のドアは問題なく開閉できる(この程度の
傾斜で開閉に問題があったら、それこそ問題だが)
 フルタイム四駆の信頼性で言えば、浮いた左後輪のことは意にも介さずリカバリーする。ただし、モノコ
ック化によって、従前のラダーフレームはビルトイン方式に変更されており、それも鋼板プレス成形のよう
である。かつてのエスクードのように、フレームをスキッド材として地面にこすりつけながら段差を乗り越
えたりするような行為は、3代目は苦手というより、センターメンバーなどを曲げてしまう。
     


後方視界は悪い方ではないが、良くもない。エスクードの伝統は、こういうところにも継承されてしまった。
 大柄で、FRを切り捨てたものの、コーナリングはロールをある程度押さえていながらも、アンダーステア気味である。特に下りのコーナー、ストレートとも、Dレンジのままではエンジンブレーキの効きが悪く、2速に固定しても程度問題でしかない。
 2000ccという排気量と、この車重をコントロールするには、イージードライブは適当ではない。安全運転確保の意識も必要だが、その上に立って、各ギア、各ATレンジを積極的に使わなければ、楽しくない。特にATでは、ラフにアクセルオンすればすぐさまキックダウンを頻発させて、リズムがぎくしゃくする。ゲート式セレクタの各位置と手首の動きを、いち早く覚えるべきだろう。
 なお、シートは全車共通の5人乗りに統一され、2代目属していたグランドエスクードは、3代目には継続されなかった。
 サードシートを排した分、ラゲッジスペースはそれなりに広くなっているが、後部座席のシートアレンジはともかく、その際のシートの格納に一工夫がほしいところだった。シートを格納した後に後方全てがフラット空間となれば、かなりのアピールになったと思う。
 また、前席を前側にスライドさせての疑似フラットシートも、今回のモデルでは考慮されていないという。
 車中泊旅行を鍛えてしまった旧来のエスクードユーザーには辛いところだが、時代の趨勢でもある。

 2006年に初のマイナーチェンジを受け、2型に移行。XSの標準であったサイド+カーテンエアバッグ・ESP付き仕様を、XGでも選べるようになった。






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