《目立つのに地味な奴》
 「特殊才能育成法」が制定されたこの時代、秀でた才能があれば、老若男女を問わず、あらゆる職種に従事できる社会が約束されていた。
 その中でも特異な業種として、警務・消防の合併組織、マシンロボレスキューがあげられる。意志を持つロボットと的確なコミュニケーションをとることのできるその才能は、10代前半の子供達に顕著に表れていた。このため、世界各国から2500人を越える逸材の子供達が抽出され、12名の天才的才能を持つ精鋭が抜擢された。
 彼等は、それぞれのチームを構成する自立型可変救助ロボMRを与えられ、マスターとしてロボ達を指揮する。そのチームのひとつ、ブルーサイレンズは都市型犯罪、高層建造物に置ける事故防止活動を任務とする。愛川誠とアリス・ベッカムが赴任し、パトロールカーに可変するポリスロボと、その支援機器バイクロボを誠が、可変ヘリコプターであるジャイロロボと支援機器をアリスが担当する。
 誠がロボマスターを務めるポリスロボ、バイクロボは、通常単機での稼働が可能だが、組織運用の際にはこれら5台のマシンロボを一度に現場へ運搬する。そのトランスポーターが、巨大トレーラー・サイレンギャリーだ。
 キャビン部下にマシンモードのポリスロボを格納、4台のバイクロボは前後・左右4ブロック化されたカーゴスペースに納められる。カーゴブロックは前部を左右に展開し、簡易移動基地としての機能も発揮する。
 このブロック構造は、サイレンギャリーもまた、巨大ロボへの変形機能を有するために採用されており、キャビンブロックはロボの胸部、パトライト後ろ側に頭部が組み込まれている。カーゴブロックは腕部、脚部へと変形する。
 全長約7m、全幅3.4mのマシンモードポリスロボを格納するキャビン部、同様に全長6mものバイクロボを4台搭載できる(詰め込めば片側に3台ずつ、6台はいけそう)カーゴブロックを連ねるサイレンギャリーは、総全長だけでも40m近くあるだろう。
 しかしこのトランスポーターに関するスペックはほとんど紹介されていない。変形システムの起動は手動で行われているようだ。サポートメカニックの哀しい扱いである。