《捜査・救急の両立を担う特殊車両》
 犯罪の複雑・凶悪化がエスカレートしつつあった20世紀末、その抑止力と市民安全のための警護を両立させるために、従前の警察組織の枠組みを越えた、捜査活動と救急活動を同時に所管する新機構の必要性が唱えられていた。
 この機構改革を立案した小山正信捜査官は、列車爆破犯のテロを防ぐために殉職。同僚であった正木俊介警視長にあとを託した。
 特別救急警察隊(WSP/ウインスペクター)の設立を提言した正木は、警視庁電子工学研究所の朝比奈博士に依頼し、専任捜査官が装備する装甲強化服「クラステクター」及び、捜査官のサポートドロイド、各種特殊装備の開発を進めた。
 WSPは1999年2月、警視監となった正木を本部長に、各省庁再編の枠組みの一環として設立される。専任捜査官香川竜馬を行動隊長ファイヤーに迎えた。
 香川警視正は、専用車両ウインスコード(パトロールスコード)内で、クラステクターを着火(装着)し、捜査・救助活動を展開する。この際、ウインスコードは車体各部を強化装甲で覆うことにより、ファイヤースコードへと変形、フロント部分には障害物除却用レーザーレールガン、天蓋部には消火作業用ケミカルディスチャージャーが展開し、稼働状態になる。
 ファイヤースコ゜ドのボディは、4層に及ぶ特殊マテリアルを圧縮プレスし、表面処理をクリスタルファイバーによって2層コーティングされたもので、耐熱、防弾、対衝撃に優れている。

 この特殊パトロール車輌は、正木がWSP編成の実務を担当していた折りに、とあるモーターファクトリーが1980年代にある程度実現しながら、多大なコストと一部機能に問題点を指摘され、お蔵入りとなっていたハイウエイパトロール用プロトタイプSP01を見出し、再改良を施したものだという噂が、WSP活動終了後に流れているが、真偽のほどは定かではない。ただ、WSPが国際警察機構に召還された後のレスキューポリス・ソルブレインにも、同様の機能を有する特殊パトロール車輌・ソルギャロップが確認されており、増加装甲システムはある程度の量産ノウハウにまで成長したらしい。
 
 

※ ウインスコード前史の記述部分は、つくばーどオリジナルです。
変形ギミックの写真は、カモタローさんが提供してくださいました。