こんなことが起こるのか。という思いで乗り込んでみると、取材当時は取り付けられていなかったETCユニットやHDDナビゲーション、バックモニターなどが追加されていました。
当然のことながら、シートを覆っていたビニールなんかありません。
個体は22000キロを越えたところ。どれくらいのお客さんが借り出したかは定かでありませんが、年式で考えたら極上品であるうえ、レンタカーとして細やかなメンテナンスを受けているため、アイドリング時どころか走り出してもがさつなエンジンノイズが出てきません。
この世代のロットでよく言われていた異音とやらが、一体どこから発生していたのか? と疑問になるほど、走ろうが停ろうが静かな室内。この数日、1600ccの直四に乗り続けていただけに、V6のおっとりしながらも踏み込んでいくとぐいぐい加速していくパワフルさが伝わってきます。
そして認めざるを得ないこととして、初代のV6シリーズが基本をFRとするパートタイム四駆であることが、いかにも若々しくやんちゃ坊主な印象なのだと気づかされるほど、トルク配分までこなすフルタイム四駆の大人びた走りで見せつけられるのです。
2005年当時、エスクードの位置づけをクロスカントリー四駆の尺度でのみ考え、初代に対してあまりにも別物となった三代目の目指す方向性に戸惑ったことが蘇ってきました。
あれから7年が経過し、その三代目も5型にまで進化している現在、もはや拡大したユーザー層それぞれの受け止め方を、ひとつのイメージに囲い込むことなど不可能なばかりか、無意味になっています。
逆説的にみると、ここまで来た(5型に関して)エスクードの次をどう考えればいいのか。やれることはほぼやっているとすれば、リセットやリサイズという試みは、エスクードで行うのではなく、全く新機軸の車でやるべきことなのだろうと感じます。
奇しくも、誕生25年を2013年5月に迎える直前、もう一度、三代目エスクードを自ら乗り出す機会に恵まれたことは、偶然ではなく必然なのかもしれません。
つくばーど採用八番目のエスクードは、スポット登用とは言えいろいろな出来事を携えてくれました。
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