林道を走って山小屋に泊まり、一晩飲み明かし、再び林道へ走り出す。
その日走るだけ走っても隠れ家が待っているというのは、疲れも取れるし楽しみも二十三重に膨らむというもの。
ただし、秩父から川上村を経由して、目指すのは富士山の向こう側。夜明かしのあと、今度は北杜、韮崎あたりから甲府を走る? 激走なのか迷走なのか、プチ荒行が繰り広げられた。
 要するに、今年は林道ツーリング飲み明かしをひとつのプログラムでやってしまおうということらしい。野宿ツーリングは既に行われているが、そろそろ標高の高いところは冠雪するし、野宿のリスク(あとで出てくる)を回避して、安全安心の山小屋泊まりの宴会となった。

 SIDEKICKさん(TA51W)
 青影さん(TA52W)
 とにぃさん(TL52W)
 sugi@TD94Wさん親子(TD94W)
 かずろーさん(TD94W)

 以上の面々は、初日の早朝、埼玉県大滝村から中津川林道に分け入り、長野県川上村の川上牧丘林道を経由して野辺山、山梨県北杜市の大泉を散策。そこから静岡県富士宮市の朝霧高原に所在する山小屋まで移動する。ところが翌日、一行は再び北杜市と甲斐市の境にある茅ヶ岳周辺の林道に向かおうというのだから恐れ入る。それだったら朝霧周辺の林道を選ぶか、茅ヶ岳周辺に宿泊すればいいだろうに。
 「朝霧周辺はロングダートのルートがことごとく封鎖されているし、茅ヶ岳の方には泊まれるアテがないもので」
 幹事を務めるSIDEKICKさんはこれで悩まされた末、苦肉の策で秩父からスタートして・・・というルートを組み上げた。さらにそれだったら、初日は林道だけでなくて、八ヶ岳界隈でお茶飲みするくらいのゆとりを持ちなさいよと、横からの入れ知恵もあったとかなかったとか。
 かくしてプチ荒行は開幕するのだが、何が荒行かって、幹事はいったい、139号線を何往復することになるのやら。当日、多少の冷え込みはあったものの、冠雪した山々の稜線がくっきり見えるほどの晴天に恵まれ、それだけでも随分と救われたのではないだろうか。中津川林道などは、月末には冬季閉鎖となる。ベストコンディションで出かけられる、ことし最後のチャンスだ。
 走るだけ走って山小屋にたどり着いたあとは、わいわいと晩餐の始まり。時間を忘れて林道談義に花が咲く。

写真提供は青影さん