霰が神奈川大学で開かれる日本民俗学会の論文発表会に駆り出された。これは神大の主張だが、彼らの横浜キャンパスと横浜駅やみなとみらい地区は「近所」だという(そんなわけないだろうっ)
 そのアナウンスを逆手に取り、かつて猛威を振るった・・・かどうかは定かでないが、霰・霙によるヨコハマ買い出し小隊(あっ、過去の記事を見たら漢字だった)が再結成された。
 この小隊が現れると知り、街の安全を護るべく颯爽とやって来てくれたのは、赤いコンバーチブルに乗るはまたにさん。

 「やー、あの頃小学生だったのに2人とも背が伸びたよねえ。霰ちゃんもついにクルマ持ちなんだねえ。歳をとっちゃったよおにーさんは」

 そんな対話を楽しみながら、賑やかな朝食。そして霙がはまたにさんに記念の手製猫グッズを、はまたにさんからは霙に白いキャンバストップが贈呈された。この間、霰はなんと、午後予定の発表レジュメのダメ出しを食らって文書修正に大慌てとなる。
 

 はまたにさんによって海岸通り一帯の安全は守られたかに見えた。
 しかし、横浜キャンパス周辺では既に新帝国ワニが機動メカ蓮田さんを配備し、霰の論文発表を冷かそうと待ち受けていたのである。
 が、肝心の和爾パパが仕事から戻ってこない。和邇お嬢姉は仕事の徹夜明けで風邪気味、お嬢妹は霰の登壇時間には競技かるたの練習時間でとどまれない。
 相変わらずの新帝国ぶりだ。それでもお嬢妹を除く和邇家が冷やかし応援に駆けつけ、霰の論文発表は滞りなく進められる。
 むしろ会場からの参加者(でも霰なんかよりはるかに専門家の学者陣)から矢継ぎ早の質疑が繰り出され、霰はぱりぱりに固まる。

 会はそのまま夕方まで続くというので、蓮田さん(和邇お嬢妹のハスラー)に連れられオジロ(霰のハスラー)とのツーショット写真を撮影のため、みなとみらいが眺望できるところへ移動。よりによってどちらのハスラーもオーナー不在のままハスラーミーティングが始まってしまう。

 「どう考えても父親同士が共謀して遊んでいるようにしか思えない」

 聞こえねーよ、そんな声(笑)


 夕刻、和邇家が中華料理のお店を借り切ってくれて、霰の発表打ち上げ会を開いてくれることになったが、なんと待機状態の喫茶店の前を、霰が教授陣に連れられ通り過ぎてしまうではないか。

 「なんか、おねーちゃんこれから横浜駅近くで飲み会らしいです」

 霙のLINEに着信がある。
 なんだとーっ、そんなやつは見捨ててしまえ。と全員大笑いしながら河岸を変え中華のお店に。中華街のありとあらゆる店を知り尽くしている(と思われる)和邇さんは

 「丸くて回るテーブルが無いことだけが心残りなんだけど」

 と言いながらも、この店の料理の味についてはどこよりもうまいことを教えてくれる。はたしてその言葉通り、何が出てきてもうまい。しかしボリュームも半端ではないうえ、サービスだとか言いながら一品増えていたりする。
 いやもうこれは降参・・・とうなっているところへ、ようやく霰が戻ってきて全員が顔を合わせることとなった。
 これにて霰の大学生活は終わりを告げる・・・はず。
 と、うまくまとめたつもりだったが、なにがどう買い出し小隊の復活だったのかは、さっぱりわからない・・・